株式会社TREEは、2030年に向けた気候変動への対策の第一弾として、北海道の酪農地における再生農業(リジェネラティブ農業)の推進と脱炭素社会の実現に向けて、地域の多様なステークホルダーと共にカーボンファーミング研究会を設立し、プロジェクトリーダーを務めることになりました。
日本一の酪農生産地を誇る北海道道東地域に位置する別海町をフィールドに、2018年よりアドバイザーとして関与してきた道東SDGs推進協議会の酪農家や生乳の調達企業である明治ホールディングスなどの生産者と乳業メーカーが連携し、土壌の炭素貯留量などを調査して参ります。
北海道庁の経済部ゼロカーボン推進局や農政部、さらには研究フィールドとして別海町もオブザーバーとして参加。
土壌調査は環境アセスメントの専門企業である日本工営と共に行い、農業における土壌や植物に関する北大の有識者やカーボンクレジットの専門家をアドバイザーとして迎えて推進して参ります。
また、この研究や実践的な成果を世界に広めるために、4CYCLE社も参加し、将来的にはカーボンニュートラルなミルクの生産を行い、地域のサステナブルなブランドの構築に寄与していくことを目指しています。
気候危機の中、農業からの脱炭素社会を目指す動きは世界中で加速しており、米国では大手流通業や食品メーカーも多額な資金を再生農業に投資しています。
同様の流れの中で、広大な農地を有する北海道でも、生産性と環境再生農業の両立を目指すカーボンファーミングを推進していきます。
詳細については、一般社団法人道東SDGs推進協議会のリリースから抜粋してご紹介します。
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脱炭素社会と⾷のサステナビリティに挑戦する『道東カーボンファーミング研究会』が設⽴。
脱炭素型酪農乳業の実現に向け、地域社会、地域市⺠、乳業メーカーによる、連携事業『道東カーボンファーミング研究会』が設⽴されました。初年度活動として2023年9⽉から⽇本⼀の⽣乳⽣産の地、別海町をフィールドとして牧場の⼟中炭素貯蓄量の調査を⾏います。
このたび、北海道庁が北海道農業の脱炭素化を進める「北海道カーボンファーミング推進協議体の発⾜に合わせて、⼀般社団法⼈道東SDGs推進協議会(会⻑:中⼭勝志)と明治ホールディングス株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社⻑CEO:川村和夫)および株式会社 明治(本社:東京都中央区 代表取締役社⻑:松⽥克也)(以下、明治グループ) は温暖化ガスの削減につながる脱炭素型酪農法として「カーボンファーミング」(※1)の評価・研究・実践を⽬的とし、⽣乳⽣産量 ⽇本⼀の別海町(町⻑:曽根興三)をフィールドとして「道東カーボンファーミング研究会」(所在地:北海道別海町、以下、道東CF研究会)を設⽴しました。
酪農の現場からカーボンファーミングを試⾏し、これからの酪農業のあり⽅を社会に提⾔していく、地域社会、地域市⺠、乳業メーカーが連携する⽇本初の取組となります。
■「北海道カーボンファーミング推進協議体」(※2)構成員による研究会
5⽉25⽇に北海道農政部は、北海道農業の脱炭素化に向けて、⽣産者をはじめ産学官⾦など、幅広い分野の関係者が集う情報交換と協働の場として「北海道カーボンファーミング推進協議体」を設⽴しました。
道東CF研究会を構成する⼀般社団法⼈道東SDGs推進協議会、明治グループ 、カーボンファーミングの調査フィールド・協⼒⾃治体である別海町は、それぞれが北海道庁が北海道農業の脱炭素化を進める「北海道カーボンファーミング推進協議体」の構成員となっております。
また事務局を務める株式会社TREE、⼟壌調査・分析を実施する⽇本⼯営株式会社、情報発信を担当する株式会社4CYCLEも構成メンバーであり、道東CF研究会は「北海道カーボンファーミング推進協議体」の構成員によるコラボレーションとなる取組です。
■ ⽣乳⽣産 ⽇本⼀の別海町における⼟壌調査活動からスタート
別海町(町⻑ 曽根興三) は⽣乳⽣産量(令和4年実績)502,638トンで⽣乳⽣産量全国⼀の酪農王国です。道東CF研究会⻑である中⼭も別海町に⾃⾝の農場を有しており、この⽇本の酪農の中⼼地にて町内各地点における⼟壌分析を⾏います。
分析結果は農林⽔産省が⾏っている『農地⼟壌炭素貯留等基礎調査』(※3)と⽐較を⾏うことに加え、牧草地の炭素吸収量の調査検討も⾏い、牧草地の⼟壌が持つ脱炭素のポテンシャルを⾒極めていきます。そして酪農業における⼟壌が持つ価値を再認識し、その価値をさらに⾼めていく⽇本版カーボンファーミングへと発展させていきます。
《 別海町⻑ 曽根興三⽒より 》
『既に酪農が脱炭素化に貢献していることを科学的に証明する必要があると考えている。そのため、草地が毎年どの程度CO2を貯蓄できるのか⾒える化に取り組むことを期待している。』
■ 今後の⾒通し『道東カーボンファーミングモデル』の発信と⾷のサステナビリティに向けて
2023年7⽉14⽇(⾦)には別海町にて関係各社・団体が集い、それぞれが抱く脱炭素へのビジョンと今後の活動の確認を⾏いました。初年度となる今年度はカーボンファーミングの展開に向けた準備期間と位置づけ、別海町内で⼟壌分析を⾏い現⾏酪農乳業の炭素貯蓄量を測定します。その測定結果を踏まえ、地域特性に則った脱炭素型酪農法を考察、2024年からはカーボンファーミングの試⾏を⽬指します。2026年末にはその知⾒とカーボンクレジット化により道東エリアそして道内全域、全国の酪農家が実践できる『道東カーボンファーミングモデル』として還元し、SDGsゴール年である2030年に向け⽇本発信の持続可能な酪農乳業として発信します。
《本件に関するお問い合わせ》
道東カーボンファーミング研究会 事務局
(⼀般社団法⼈道東SDGs推進協議会 株式会社TREE内)
メールアドレス: hokkaido@carbonfarming.jp
TEL: 050-3656-8000