share this post!

kimura1

商店街と再生可能エネルギー その心は!?

♪カープ、カープ、カープ、広島、広島カープ♪

(広島東洋カープ応援歌「それいけ広島カープ(若き鯉たちよ)」)

 

と来れば、広島へカープの試合でも観戦しに行ってきたと思われるかもしれませんが、そうではありません。行ってきたのは宮崎県日南市。そう、今年25年ぶりのセ・リーグ優勝を果たしたプロ野球・広島カープの春季キャンプ地として知られる街です。かつて、杉材木の出荷とマグロ漁で栄えた油津港の近くにある油津商店街が“シャッター街”から再生しつつある現状を、まちエネ大学の映像教材として取り上げるために取材してきました。

 

商店街と再生可能エネルギー。一見全く違うことのように見えるかもしれません。でも、地域の将来像を描きながら、地域にある資源を活かして事業を構想するとうまくいくという点で、実はよく似ているのです。

 

ハードもソフトも「地域の人たちの『共感』を得るために」

林業と漁業の衰退とともに街のにぎわいが徐々に薄れ、油津商店街では最盛期に80軒あった店舗が2013年には4分の1近い28軒にまで減ってしまいます。そんな廃れかけた商店街を再生するため、日南市が全国から公募した330人の中から「テナントミックスサポートマネージャー」として選ばれたのが木藤亮太さんです。

 

1-1

 

木藤さんのミッションは、任期中の4年間で20軒の新規店舗を誘致すること。そのためにまず、街の人たちが親しんでいた昭和な喫茶店をリノベーションしてカフェ「ABURATSU coffee」をオープンさせます。

 

1-2

かつてあった喫茶店「麦藁帽子」の壁文字はそのままに、懐かしさとクールさが両立している

 

その後は、貸しスペースや食堂・居酒屋が軒を連ねる「あぶらつ食堂」、日南市でキャンプを張る広島カープゆかりの品々を集めた「油津カープ館」のある複合施設もオープン。カフェも複合施設も、子どもも大人もお年寄りもカープファンも集って交流できる場。多世代交流こそが、地域の人たちから共感を得て商店街再生を成功させるために必要だと木藤さんは考えたのです。任期4年が終わりに近づく中、現在までに新規出店と首都圏のIT企業のサテライトオフィスの進出によって18軒の誘致に成功。油津商店街は地元の老若男女とともに地域外からの観光客も加わり、にぎわいを取り戻し始めているのです。

 

1-3

 

ビジネスも地域も「関わりたくなる」雰囲気づくりが大切

木藤さんは「多世代が関わりたくなる商店街づくり」をモットーに、建物(ハード)だけでなくソフト(企画)によっても地域の人たちが関わりたくなる商店街の雰囲気づくりを心掛けたといいます。例えば、月1回の土曜市を復活させ、夏の期間は土曜夜市として地元の中高生に屋台やおばけ屋敷の運営をしてもらったり。先日の広島カープのリーグ優勝時には、油津カープ館でパブリックビューイングをやって大いに盛り上がったのだとか。

 

1-4

「油津カープ館」には、キャンプ中に地元の方々がゲットしたサイン色紙やボールがいっぱい。商店街には広島カープの応援歌が流れていて、カープファンにはたまらない雰囲気です。

 

誰だって、シャッターの閉じた寂れた商店街にあえて出店したいとは思えません(相当、冒険ですよね)。だからこそ、賑わいの予感のする、出店したくなるような雰囲気づくりが欠かせません。そんな雰囲気づくりの甲斐もあって、あぶらつ食堂への出店を決めたのは、すべて地元出身でこの街を何とかしたいと思った料理人たちとなったそうです。

 

地域にあるモノ、コト、自然、歴史、文化、そして人。「地域資源」と言われるもの(素材)をどのように見つけて、どのように活かしていく(料理する)と共感を得られる事業を作れるのか――。2016年度のまちエネ大学第一回講座では、木藤さんの油津商店街のほか、グリーンツーリズムで都市と農村の活発な交流を実現した秋津野ガルテン(和歌山県田辺市)、小水力発電で魅力ある里山となった岐阜県石徹白集落を例に、地域資源を活かした事業化のコツを学んでいきます。

 

 

2016年度のまちエネ大学は、来週10月11日(火)の北九州を皮切りに、全国8地域で開校します。

どうぞご期待下さい。

まちエネ大学公式ホームページ

 

 

(木村麻紀)